スキップしてメイン コンテンツに移動

GRSの研究とは 〜あるOBとの談話から

先日、PMDA−岐阜薬科大学連携大学院制度を利用して、PMDAで就労しつつ学位取得を目指す大学院生のS君が教室に遊びに来てくれました。彼は、蹴球部OBなので私の後輩(殆どプレーしなかったけど、これでも元蹴球部)。PMDAに入って1ヶ月、見えて来た現実とこれからの研究について話しました。彼との会話の中で印象に残った事を2つ書きます。

1. 薬学とレギュラトリーサイエンスの重要性

PMDAに入って約一ヶ月。現在研修中で様々な事を勉強中とのことでしたが、薬の承認審査をすると言う事は、ベネフィットとリスクをあらゆる面から総合的に判断する作業であり、そのうち、臨床部分を除いては殆どが薬学で学ぶ事が下地になるということ。すなわち、薬学を修了した者こそ、その専門性と総合力とで薬作りに関われる人材なのではないかと思いました。さらに、ベネフィットとリスクを判断するためには、レギュラトリーサイエンスの考え方をしっかり学んでおく事が重要である事も再認識しました。

2. GRSの研究に対する不安と抱負

学位取得のための研究テーマを設定中とのことでしたが、いろいろ迷いや不安が有るようでした。正直、私も、どんなGRS研究を行って行けば良いのか、と言う点に付いては迷いや不安が有ります。「こんな事が分からないから、研究して明らかになればスゴいかな」と思いついて、PubMedを検索すると、多かれ少なかれ論文がヒットします。運良くほっとしなくても、Google検索を掛けると、何かヒットします。で、少し調べ込むと、先行研究が見つかります。国内ですと、多くはPMDAであったり、T大学であったり...
ここで、「やっぱり」と思うのですが、この「やっぱり」の思い方で、その先が真逆になります。

「やっぱり」先にやられている、となれば、不安ばかり。
「やっぱり」同じ疑問に着目している、となれば、抱負が生まれます。

先行研究を参考にして、自分たちの考え(オリジナリティー)を加え、さらに膨らませれば、新たな知見が見えてくると言うものです。そもそも着眼点は間違っていないことは先行研究で明らかですから。

先ずは、自分の疑問を整理して、それを仲間と議論して、研究対象を絞り込んで行けば良いのではないでしょうか? 考え方は十人十色ですら、必ず新しいアイデアは出てくるものだと信じています。

私はそんな風に考えています。

乗鞍高原の水芭蕉

コメント

このブログの人気の投稿

新しい仲間

先日、岐阜薬科大学大学院博士後期課程入試(一次)があり、GRS研究室を希望された3名の社会人が受験、無事合格されました。 入試の面接では、研究のアウトプットに関する厳しい質問をされたようですが、熱い思いを回答し乗り切ったようです。大学院に入るのが目的ではなく、何を学び、どう成長して、その結果博士の学位を取ることが目的です。大変なのはこれからです。会社の業務と家庭、学業のバランスを上手く取って、一緒に頑張りましょう。 因みに、博士後期課程、博士課程とも二次募集は2025年1月です。引き続き大学院生の募集は行っております。GRS研究室に興味を持たれている方は、是非塚本まで連絡してみてください。

二足の草鞋(社会人大学院生)

GRSに所属する大学院生は、今のところ、今までのところ、全員社会人です。恐らく、ウェットな実験をしない職種、例えば製薬企業の臨床開発職などにおいても、学位取得のニーズが高く、ドライ研究であるGRSの研究とのマッチングが良いからなのでしょう。とは言え、データサイエンス領域の研究になりますので、しっかりとした研究目的・意義の上に、必要なデータを確実に収集し、的確な手法で分析して、仮説証明、現状分析、将来への提言に繋げていく必要があり、研究の目的を見失って暗中模索になることもしばしば。これまでとは違うデータ解析手法に戸惑ったり、慣れ親しんだ古典的ネイマン・ピアソン統計のみならず、ベイズ統計に手を出して躓いたり。。。 研究上のハードルも多数ある上に、仕事。皆さん現役の正社員。社会人大学院生として雇用主には理解してもらっているとは思いますが、大体どの現場でも出来る人ほど使われる。結果、ハードな通常業務に空き時間での研究となるのですが、モチベーションが維持できないと主力は業務に移っていきます。モチベーションが維持できなくて、本体業務が忙しくなって、ドロップした大学院生は何名もいます。もう少し、ちゃんとした指導が出来ればとも思いますが。。。 自分自身、これまでの研究生活を振り返ってみて、留学先のボスなどに受けた指導の中で印象に残っているのは、ほぼ雑談。雑談の中から、思い通りに結果の出ない挫折を乗り越えて、何か光が見えたときの研究の楽しさ、ワクワク感、達成感を教えていただいたように思います。それが、領域は違えども今でも研究を続けている根源なのかな。 どうぞ、行き詰ったときは、教員と雑談しましょう。あなた方よりは少しだけ年長で少しだけ研究経験が多いだけですが、そんな雑談の中から、新たなモチベーションが生まれるかも知れませんよ。

久々の再会

長浜バイオ大学の永井教授から、「○月○日に帝京大学医学部の澤村准教授をお呼びしたので、久々に集まりませんか?」という連絡が来ました。場所は草津でとのことなので調べてみると、意外に近い? ローカル線と東海道線を乗り継いで1.5時間ほどの鉄道旅。コロナ禍で鉄道に乗る機会も殆どなかったので、何となく懐かしい(笑)。 先生方とはベルギー留学時に同じルーヴァン大学に在籍していたたことが接点で、折に触れお世話になっています。当時の仲間は皆さん優秀。私以外はアカデミアの方々でしたので、帰国後もご活躍され、相応のポジションに就かれています。当時は企業勤めの落ちこぼれ研究者でしたが(今でも落ちこぼれ教授ですが)、ややマイナーな留学先の同じ日本人研究者として、手を差し伸べていただきました。当時も帰国後も度々集まり、よく語らい、様々に影響された仲間です。この体験が無ければ、私はずっと企業人だったかも知れません。 あっと言う間の2時間ほどの会食でしたが、濃密なひと時を過ごしました。一旦コロナ禍で途切れた集まりも、これを機会に再開しましょうと約束して帰宅しました。 専門領域は違えども、まだまだ情報が乏しかった2000年代半ばに、たまたま同じ大学に留学していた日本人研究者同士と言うだけですが、いわゆる同じ釜の飯を食う仲間の意識なのでしょうか。 GRSにも何かの縁で集った仲間がいます。出身地が違い、所属企業が違い、年齢も違う。せっかくの同門の縁ですから、研究だけでなく自分の人生をより良きする経験をしていきましょう。苦楽を共にした仲間は、一生の宝ですよ。