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5月, 2014の投稿を表示しています

進んだ研究教育プログラム

ジョージタウン大学のElin先生から久々にメールが来ました。その内容は、「新しくポスドクや研究者向けのフェローシップを作ったから、日本からの応募も大歓迎なのでヨロシクね」と言うもの(下記参照)。 アメリカ研究製薬工業協会とタッグを組んで、産学連携でレギュラトリーサイエンスを進め、最新の科学を取り入れた医薬品開発を加速させようと言うもので、さすが、やり手のElin先生とAlexis先生らしい取り組みです。 うちの教室からも.....と思いましたが、残念ながら学位保持者は私だけ。 チャレンジングですが、得るものは非常に多いと思います。また、今後のキャリア形成にも大きくプラスとなることでしょう。ジョージタウン大はワシントンですから、FDAも近く、この分野の研究や教育には良い場所です。 興味の有る方は是非チャレンジしてみてください! Georgetown University and PhRMA Announce Fellowship in Regulatory Science The Georgetown University Program for Regulatory Science & Medicine ( PRSM ) and the Pharmaceutical Research and Manufacturers of America ( PhRMA ) have established a Fellowship in Regulatory Science. Regulatory science is an applied scientific discipline that generates and makes use of evidence-based knowledge to inform decision-making about the safety and benefits of medical products, and comprises an emerging, specialized, and interdisciplinary field of biomedical research and education. Early in its evolution, the field holds

大学発医薬品開発〜岐大フォーラムにて

先日、隣の大学である岐大のフォーラムに参加してきました。本学、岐薬と岐大は多岐にわたって連携しており、各大学主催のフォーラムや講演会、シンポジウムもお互いに参加することも可能です。 その日の講演は、先端医療振興財団臨床研究情報センターの福島先生でした。福島先生については、今更私がココで書く必要がない程、ご高名でいらっしゃるのでgoogleってみてください(笑)。 先生のお話で、自分が勉強になったこと、我々のGRS研究に関係のある部分のみ、あくまでも私の理解に基づいて、私見で紹介しましょう。 まず、これからの大学発医薬品開発に必要かつイノベーションを起こすための5か条がありました。 特許 薬事法 マネジメント 経済的自立 グローバル化 端的に網羅されています。大学では医薬品開発は出来ないものだと私は思っていました。それは、特許や薬事法を十分理解した上で、創薬を行っていないためではないかと思います。アカデミアでは学術的に発表することをゴールに捉えがちですが、チャンスがあるものはパテントをちゃんと取っておかないと何ともなりません。かと言って、闇雲にパテントを取ると、自分のパテントに引っかかって開発できなかったりすることもありますので、将来を見越した戦略が重要です。このためには、その道の専門家の力を借りなければなりません(弁理士や弁護士)。 薬事法と言えば、薬学では「一応」習います。この部分では医学部や工学部の方より薬学を学んだものが一番協力できるのではないでしょうか? 医薬品開発では、臨床での有効性と安全性を評価せねばならず、薬学単独では実施できません。お互いにそれぞれの強みを持ち寄って、協働することで、求める成果に繋がるものと考えます。 GRS研究においても、薬事法、マネジメント、グローバル化は大きなポイントであり、研究室運営では経済的自立も非常に重要です。経済的自立のために、パテントを取って行くのも一つのアイデアでしょう。と言うことは、この5か条はそのまま我々の教訓となりうるものなのです。 自分たちはGRS研究を通じて、どのように大学発創薬、医薬品開発と関われるか、考えて行きたいと思いました。

日本薬理学会ホームページ

薬理学会のホームページ に、会員向けお知らせがあります。このほど、新教授紹介に簡単な自己紹介を掲載していただきました。薬理学会員の方はご覧いただけます。 学生時代の専門は、薬理学ではなかったのですが、製薬企業に入社して以来ずっと薬理屋としてやってきました。運良く薬理の仕事に就けたため、今日が有ると言っても過言では有りません。 薬理は、特に我々の時代は、実験動物丸ごとの研究が多く、求める薬理作用のみならず、ちょっとした動物の動きの違いなどからも隠れた作用が見つかる事があり、生理学、解剖学、毒性学、薬物動態学などと言った様々な「薬学」を結びつけて観察しなければなりません。総合力です。 レギュラトリーサイエンスも、様々な知識を駆使して、薬物のベネフィットとリスクのバランスを判断せねばならないところは、薬理と共通するものが有るのではないかと思います。 みなさんはどう思われますか?

研究も遊びも

こう見えて(どう見えて?)、学生時代はサッカー部に所属していました。先日、そのサッカー部の新歓コンパがあり、OBと言う事で私も参加をしました。今時の学生達のエネルギーに圧倒されながら、顧問の先生と一頻り花を咲かせた後、あるマネージャーから、「クルマの話が聞きたい」と。 まさか、女子大生の口からそんな話が聞けるとは、正直思っていなくて、ビックリ。世の中は、エコカー一色で、我々の世代のように「バブル」時期を知らない若者には、無縁だと思っていたのは、マスメディア等のステレオタイプを簡単に鵜呑みにしていただけなのかも? 大体、某大手メーカーのハイブリッド車は、確かに低燃費ですが、そのクルマを作るまでに使用される燃料と排ガスの多さを考えれば、ある程度古いクルマを直しながら乗っていた方がよっぽどエコロジーなはずなのに、メーカーもメディアも政府までも、買い替えを促進するような事ばかり.... 話が逸れました。まぁ、彼女が私にクルマの話を聞きたいのもうなづける程、私はクルマ馬鹿(今で言うオタク?)。でも、趣味でも遊びでも、やるときにはとことんやることは良い事だと思っています。中途半端は面白く有りません。限界を低く設定すると、すぐに詰まらなくなって飽きてしまいます。でも、知らない事が分かるようになると、本当に面白い。良く「好きこそモノの上手なれ」と言いますが、自分の興味ある事に対する勉強や研究は、苦になりませんし、むしろ楽しい。でも、これを仕事にしてしまうと、楽しいだけで済まなくなってしまって、息が詰まります。難しいところです。 研究も遊びもメリハリを付けて、やるときにはとことんやる、ヒトの話を鵜呑みにするのではなく、何事も物事の本質は自分の目で確かめてみる必要が有るんだと、新歓コンパで気付くとは、よもや思いもしませんでした。 そう、研究も自分の目で確かめることが重要では? そこに、自分のオリジナリティーが生まれると思います。 GRS以外にも、たまにはこんな話もOKです。ラボに遊びに来てください!

スクープ? 10月にシンポジウムを開催します!

当教室、その名もグローバル・レギュラトリー・サイエンスですから、 グローバルに攻めないと!  と言う事で、10月に教室主催でシンポジウムを開催する予定です。 1月に開催した 第一回岐阜イノベーション講演会 の第二回目として、今回は アメリカからもゲストスピーカーを呼んじゃいます。 当然「英語」の講演会となりますので、悪しからず。勿論、前回同様、一般参加もOK。是非、岐阜まで聞きに来てください! 詳細は、現在調整中ですので、近日中にアナウンスできると思います。 お楽しみに....

GRSの研究とは 〜あるOBとの談話から

先日、PMDA−岐阜薬科大学連携大学院制度を利用して、PMDAで就労しつつ学位取得を目指す大学院生のS君が教室に遊びに来てくれました。彼は、蹴球部OBなので私の後輩(殆どプレーしなかったけど、これでも元蹴球部)。PMDAに入って1ヶ月、見えて来た現実とこれからの研究について話しました。彼との会話の中で印象に残った事を2つ書きます。 1. 薬学とレギュラトリーサイエンスの重要性 PMDAに入って約一ヶ月。現在研修中で様々な事を勉強中とのことでしたが、薬の承認審査をすると言う事は、ベネフィットとリスクをあらゆる面から総合的に判断する作業であり、そのうち、臨床部分を除いては殆どが薬学で学ぶ事が下地になるということ。すなわち、薬学を修了した者こそ、その専門性と総合力とで薬作りに関われる人材なのではないかと思いました。さらに、ベネフィットとリスクを判断するためには、レギュラトリーサイエンスの考え方をしっかり学んでおく事が重要である事も再認識しました。 2. GRSの研究に対する不安と抱負 学位取得のための研究テーマを設定中とのことでしたが、いろいろ迷いや不安が有るようでした。正直、私も、どんなGRS研究を行って行けば良いのか、と言う点に付いては迷いや不安が有ります。「こんな事が分からないから、研究して明らかになればスゴいかな」と思いついて、PubMedを検索すると、多かれ少なかれ論文がヒットします。運良くほっとしなくても、Google検索を掛けると、何かヒットします。で、少し調べ込むと、先行研究が見つかります。国内ですと、多くはPMDAであったり、T大学であったり... ここで、「やっぱり」と思うのですが、この「やっぱり」の思い方で、その先が真逆になります。 「やっぱり」先にやられている、となれば、不安ばかり。 「やっぱり」同じ疑問に着目している、となれば、抱負が生まれます。 先行研究を参考にして、自分たちの考え(オリジナリティー)を加え、さらに膨らませれば、新たな知見が見えてくると言うものです。そもそも着眼点は間違っていないことは先行研究で明らかですから。 先ずは、自分の疑問を整理して、それを仲間と議論して、研究対象を絞り込んで行けば良いのではないでしょうか? 考え方は十人十色ですら、必ず新しいアイデアは出てくるものだと信じています。 私

研究と春山登山スキー

GPU-GRSホームページの自己紹介で書いているように、私は多趣味人間です。その一つにスキーがあります。 過去20年近く、毎春この時期になると、岐阜県と長野県に跨がる乗鞍へ春山登山スキーに出掛けるのが恒例になっています。なぜ、スキーシーズンも終わったようなこの時期に、ゲレンデではなく山へスキーに出掛けるのか、と問われれば、森林限界を超えた高地での、大自然の中での雄大なスキーがしたいからです。もちろん、苦労して山頂に立てたときの達成感も魅力の一つですが、私は登山家ではなく、下山家ですので。 今年は天候に恵まれて、登山バスも予定通り運行されたため、山頂までは4時間の道のりでした。年々、体力が衰える中、これまでに無く短時間かつ楽な登りと感じました(勿論、苦痛以外の何物でもありませんが)。 天気が良いと、雪原であっても雲による陰影や地形の変化で景色が楽しめます。登りは辛くても、山頂に到達できたときの達成感と、その後のご褒美、スキーがある。これらが折れそうな心の支えなのです。一緒に登る仲間の存在も大きい。登山もスキーも個人でするものですが、同じ目的を持った仲間が居るのと居ないのでは、全く違うものです。 これを研究に置き換えてみましょう。研究にもこれと似た側面があります。同じ目標を持った仲間と、議論をぶつけながら、時には励まし合い、協力して、一つ一つ課題をクリアーし、研究結果を得る。山登りに似ているかも知れません。しかも目標は高ければ高い程、研究のレベルは高ければ高い程、研究者は成長でき、研究成果は高インパクトなものになる。 じゃぁ、ご褒美は? 研究成果が、社会を動かすとしたなら、凄い事じゃない? 自分の研究が世の中にどんなインパクトを与えるのか、想像するとワクワクしない? そう言う気持ちを持ち続ける事ができることが、ご褒美かも知れません。 これだから、研究とスキーはやめられない....