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大学院(博士課程)

今回のデンマーク出張で考えさせられることが。 コペンハーゲン大学薬学部の博士論文審査がなかなかハード。そのうえ、ディフェンスでは審査員1名あたり30分~1時間程度の質疑。つまり、3時間強のディフェンス。言語は英語(博士論文の要旨のみデンマーク語併記)。すなわちプレゼンテーションもディスカッションも英語で行われました。3名の審査委員会ですが、1名は内部、2名は外部。私のように海外から呼ばれる場合もあります。COVID-19禍ではオンラインでディフェンスがされたそうですが、原則対面。 事前に提出された博士論文を基に行われますが、博士論文自体も100ページ超。今回の場合、複数報の投稿論文(英文原著査読論文)がベースとなっていました。 ベルギーでもほぼ同様のスタイルでしたので、全くなじみが無いわけではないのですが、聞けば他大学では審査員がその専門分野について1時間程度のレクチャーをし、さらに質疑も行うこともあるとか。となるとディフェンスは1日仕事。博士候補者も審査側もハードルが高い。 PhDは独立した研究者の証なので、これぐらいは当たり前と言うのがヨーロッパのスタンダードなのでしょう。振り返って、日本は? 公聴会のスタイルは色々ですが、ヨーロッパ並みに厳格なのかと言うと、もう少し形式ばっているのかなと言うのが印象。経験上は、そこまで突っ込んだディフェンスがされているようには思えないし(そもそもその研究領域の専門家と言われる研究者が必ずしも審査員を務めていない)、時間も限られています。博士論文の構成論文は英文査読学術論文ですが、博士論文自体は日本語のみで、公聴会も日本語(英語の場合もあるのでしょうけど、経験がありません)。 PhDを持って海外に行くと、本当に一人前の研究者として扱われます。日本人の場合、多くは研究技術と緻密さ、正確性、謙虚さは海外のPhDホルダーに負けませんが、プレゼンテーション能力とディスカッションでは負けることが多い。この辺りも、今のPhDの在り方が影響しているのかもしれません。 やはり、PhDを取ることを目的とせず、通過点としてポスドクでもしっかり研鑽を積んでいってほしいと思いました。 と言う分けで(どう言う分け?)、GRSではやる気のある大学院生を募集しています。岐阜薬科大学では現在、夏季(8月)と冬季(1月)の年2回、入試が行われます。出願には事前に